FIELD LOG #009

求人のクリック率を改善するなら、本文より先にタイトルと画像を直す

求人作成求人のクリック率タイトル → 画像 → 本文

求人は表示されている。でも、クリックされない。そういうとき、本文から書き直していませんか。

求人は検索結果に出ている。表示の回数もそれなりにある。なのに、クリックされない。そういう相談をいただくと、本文が何度も書き直されていることがよくあります。仕事内容を足し、会社の紹介を足し、言い回しを変える。それでもクリックの数字は動きません。

理由は単純で、クリックする前の求職者は、本文をまだ読んでいないからです。

クリックされない原因は、タイトルか画像にある

求人の数字は、二つに分けて見ています。一覧に表示されたうち、どれだけクリックされたか。クリックされたうち、どれだけ応募まで進んだか。前者が低いなら、直すのは一覧で見えている部分、つまりタイトルと画像です。後者が低いなら、そこで初めて本文の量や構成を直します。

この順番を逆にすると、手間をかけても成果につながりません。クリックされていない求人の本文は、ほとんど誰にも読まれていないからです。

求職者は、スマホで流し見している

求人を探している方の多くは、スマホで一覧を指で送りながら見ています。一件あたりに目を止めるのは、ほんの一瞬です。その一瞬で「何の仕事か」「自分に関係がありそうか」が分からなければ、指はそのまま次へ進みます。

だから、一覧の段階で伝えることは絞ります。全部を伝えようとすると、何も伝わりません。私たちがまず確かめるのは、次の三つです。

  • 何の仕事か(職種)
  • いくらもらえるか(給与)
  • どう働くか(休日・勤務時間・シフト)

この三つのうち、その求人でいちばん強いところを一つか二つ選んで、タイトルと画像の両方で目に入るようにします。

タイトルは、求職者が検索する呼び方で

職種名は、社内での呼び方になっていることが少なくありません。部署の名前、独自の役職名、雰囲気を伝えるための言葉。書く側には分かっていても、探す側はその言葉で検索しません。

Indeed の求人広告の書き方の解説でも、職種名は求職者が最初に目にする部分なので、仕事内容が簡潔に伝わる表記にし、特殊な社内用語は避けるよう書かれています。悪い例として、「オープニング募集!未経験OK」のように仕事の中身が分からない職種名が挙がっています。

私たちは、職種名を決めるときに「求職者なら、この仕事を何と呼んで探すか」から考えます。迷ったら、同じ職種のほかの求人で多く使われている呼び方を見てみる。それだけでも、変える場所は見えてきます。

  • 社内の呼び方や部署名を、そのまま職種名にしていないか
  • 「スタッフ」「メンバー」だけで、何の仕事か分かるか
  • 募集の売り文句(未経験OK など)が、職種名の場所を占めていないか

画像は、文字を絞って一目で伝える

画像でよく見かけるのは、伝えたいことを全部載せた画像です。給与、休日、手当、職場の雰囲気、応募の特典。文字が小さくなり、スマホの一覧では読めません。何の広告なのかすら分からなくなっていることもあります。

画像に載せる文字は絞ります。何の仕事か。そして求職者がいちばん気にすること、多くの場合はお金と働き方。この二つが一目で分かれば十分です。細かい条件は、クリックしたあとの本文で読んでもらえばいい。

一つの画像で反応が出ないときは、文字を少し変えるより、切り口ごと変えた画像に差し替えます。給与を前に出した画像、休日を前に出した画像、仕事の様子が分かる画像。どれが効くかは、出してみないと分かりません。だから、比べられるように何枚か用意しておきます。

何を根拠に直すか。自社の求人どうしを比べる

原稿をどう直すかは、好みで議論になりがちです。「この言い方のほうがいい」「この写真のほうが明るい」。そこで私たちは、成果の良い求人と悪い求人をまとめて並べ、要素ごとに比べるようにしています。

  • タイトルの長さと、入っている言葉
  • 画像に入っている要素(文字の量、写真か図か、何を前に出しているか)
  • 記載している項目と、仕事内容の分量
  • 掲載した時間帯や、応募が来ている時間帯

良い求人に共通していることを、ほかの求人にも移していきます。タイトルの最適な長さのような目安は、会社や職種、地域で違います。一般論の数字をそのまま当てはめるより、自社の数字と原稿を突き合わせて決めたほうが確かです。

なお、掲載するだけで料金が決まる媒体では、料金によって露出がほぼ決まるので、細かな書き換えの効果は小さめです。クリックに応じて費用がかかる運用型の求人検索サービスでこそ、こうした日々の見直しが効いてきます。

クリック率が線を超えてから、本文に進む

配信の設定を細かく調整したくなる気持ちも分かります。ただ、一覧で選ばれていない求人は、設定をいくら変えても選ばれません。私たちは、配信の細かな調整より先にタイトルと画像を直し、クリック率が自社で決めた合格ラインを超えてから、本文の改善に進むようにしています。

本文に進んだら、今度は応募まで進む割合を見ます。クリックはされるのに応募が始まらないなら、仕事の中身や一日の流れが伝わっているかを見直します。本文の書き方は Field Log #005 にまとめました。

あわせて、費用だけがかかって応募のない求人は、基準を決めて洗い出し、配信から外すか書き直すかを週ごとに決めていきます。

担当者によって、品質がばらつかないように

タイトルと画像の良し悪しは、慣れた担当者なら感覚で分かります。ただ、それが一人の頭の中にあるだけだと、求人が増えるほど追いつかなくなり、更新が止まった求人がたまっていきます。

クリックに応じて費用がかかる求人検索サービスでは、入札や配信は仕組みに任せる部分が大きく、そこでは差がつきにくい。差をつけられるのは、原稿、つまり画像と文章です。だからこそ、慣れた担当者が何を見て直しているかを分解して、型にしておきます。職種名の決め方、画像に載せる二つの要素の選び方、差し替えの切り口。型があれば、経験の浅い方でも同じ水準で作れます。

AIで原稿を作る場合も同じです。出てきた原稿を毎回人が手直ししているなら、なぜ直したのかを型やAIへの指示に戻さない限り、手直しは終わりません。私たちの AI求人作成ツール「i-Pen」でたたき台を作ることもできますが、最後に事実と違うところがないかを人が確かめるのは変わりません。

直す前に確かめること

  1. クリック率と応募率を、分けて見ているか
  2. 低いのがクリック率なら、本文ではなくタイトルと画像から手をつけているか
  3. 職種名は、求職者が検索する呼び方になっているか
  4. 画像の文字は、仕事の中身とお金・働き方に絞れているか
  5. 切り口の違う画像を、比べられるように用意したか
  6. 自社の良い求人と悪い求人を、要素ごとに並べて比べたか
  7. クリック率の合格ラインを、自社の数字で決めたか

よく聞かれること

本文を充実させれば、検索で上に出やすくなりませんか。
上に出るかどうかと、出たときに選ばれるかどうかは別の話です。表示はされているのにクリックされないなら、まず選ばれる側、タイトルと画像を直します。
画像は、どのくらいの頻度で替えればいいですか。
決まった日数より、数字を見て決めます。同じ画像で反応が落ちてきたら、切り口を変えた画像に差し替えます。
タイトルに条件をたくさん入れたほうが、目に留まりませんか。
入れすぎると、かえって何の仕事か分からなくなります。職種名を軸にして、その求人でいちばん強い条件を一つ添えるくらいにしています。

文・片桐 正嗣株式会社TL 代表取締役

ご支援先が分からないよう、社名と一部の内容を伏せています。