FIELD LOG #005

応募が来る求人票は、仕事の大変さから書いてある

求人作成求人票の書き方原稿 → 応募資格 → 入れ替え

「未経験歓迎」「アットホームな職場」「誰でも簡単」。書く側の気持ちは分かります。ただ、応募する側は、その言葉をあまり信じていません。

求人票を見せていただくと、よく似た言葉が並んでいます。「未経験歓迎」「アットホームな職場」「誰でも簡単」。書く側の気持ちは分かります。ただ、応募する側は、その言葉をあまり信じていません。

求職者が、求人に書いてほしいこと

エン・ジャパンが2025年に「エンバイト」の利用者1,401名に行った調査では、求人情報に書いてほしいことの上位に「大変な点・厳しい点についての正直な記載」(44%)と「1日の仕事の流れ」(39%)が挙がっています。同じ調査で、「誰でも簡単」「未経験でも高時給」といった甘い言葉に注意している人は53%でした。(エン・ジャパン「求人情報とリアルのギャップ」実態調査)

良いことだけを並べた原稿は、応募する側から見ると、判断の材料が足りないのです。

応募資格は、本当に必要なものだけ

米国の Uber が600件以上の求人で行った実験では、約6万人の閲覧者を2種類の原稿に振り分けました。必須ではない応募資格を削った原稿の方で、応募は7%増えています。増え方は男女で同じ程度でした。(Abraham, Hallermeier & Stein, 2024, Journal of Economic Behavior & Organization)

「あれば尚可」のつもりで書いた条件でも、読む側は「ないと応募できない」と受け取ります。応募資格の欄は、一度、本当に必須なものだけに削ってみる価値があります。

どこに載せるかより、何を書くか

2025年6月末で、Indeed はほかのサイトの求人を自動で集めて載せる形(クローリング)を終え、掲載は直接の投稿か、採用管理システム(ATS)との連携に限られました。(内藤一水社による解説)同じ場所に同じような求人が並ぶほど、選ばれるかどうかは原稿の中身で決まります。

成績の良い原稿と、そうでない原稿

求人の広告データを見直すと、クリックはされているのに応募がゼロの求人に、広告費の少なくない部分が使われていることがよくあります。

成績の良い原稿と振るわない原稿を並べると、違いははっきりしていました。

  • 成績の良い原稿:職種と勤務条件(時給・勤務時間・場所)が、文字で一目で分かる
  • 振るわない原稿:仕事の中身がぼんやりしていて、何をする仕事なのか読み取れない
  • 画像:良いのは実際の仕事の風景に、条件を文字で添えたもの。悪いのは雰囲気だけの写真

医療や介護の求人では、基本給だけが書かれていて、夜勤手当や残業の計算が書かれていない原稿もよく見かけます。求職者がいちばん気にするところです。新卒向けの言葉を、そのまま中途の求人に使い回している例もありました。

反応が落ちたら、入れ替える

同じ原稿、同じ画像を出し続けると、反応は落ちていきます。ある求人広告では、同じ画像のまま10日ほどで、クリックされる割合が半分以下になりました。費用がかかっているのに応募が少ない求人は定期的に洗い出して、原稿を書き直すか、広告の配分を下げるかを決めています。

公開する前に、必ず事実を確かめる

私たちも、原稿の段階で事実と違うことを書きかけたことがあります。選考の回数、賞与の条件、歓迎する経験。いただいた資料どうしで、書いてあることが食い違っていました。

求人票は、応募してくれる方との最初の約束です。公開する前には採用する会社の方に必ず確認していただき、受動喫煙の対策のように、法律で示すことが決まっている項目も確かめます。

公開前に見直す7つのこと

  1. 職種と勤務条件が、冒頭の数行で分かるか
  2. 仕事の大変な点を、正直に書いたか
  3. 1日の仕事の流れを書いたか
  4. 必須ではない応募資格を、削ったか
  5. 手当や残業の計算まで書いたか
  6. 画像は、実際の職場の様子か
  7. 事実と法定の明示事項を、採用する会社に確認したか

書き出しに迷うときは、私たちの AI求人作成ツール「i-Pen」で、職種や条件から原稿のたたき台をつくることもできます。たたき台ができたら、最後は人の目で、その職場の本当のことを書き足してください。

文・片桐 正嗣株式会社TL 代表取締役

ご支援先が分からないよう、社名と一部の内容を伏せています。